2018年5月に原油相場が70ドル突破。国際線の航空券を買うのは早めがいいかも?
- 原油価格が上昇、70ドルを突破
- 円ドル相場も上昇、110円台に突入
- 原油価格↑円ドル↑、燃油サーチャージもUP?
- 「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」決定のメカニズム
- 原油の平均価格×平均為替レートの推移
- 燃油サーチャージの推移
- 2018年夏以降、燃油サーチャージは「ゾーンD」に行くか?
原油価格が上昇、70ドルを突破
アメリカとイランとの間での関係懸念などが発生し、原油価格が急上昇中です。
2018年5月に入り、1バレル70ドルを突破し、これは2014年11月以来、約3年5ヶ月ぶりの高値だそうです。
円ドル相場も上昇、110円台に突入
さらに、円ドル相場も、ここ1-2ヶ月で動きがあります。
円ドルの為替レートは、しばらく110円未満になっていましたが、2018年4月下旬ごろから円安方向に動き、110円台に入ろうとしています。
原油価格↑円ドル↑、燃油サーチャージもUP?
原油価格が上がり、円ドルの為替レートも上がってくると、飛行機を乗る立場の人間として気になるのが「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」の改定。
燃油サーチャージは、ここ2-3年は、比較的安く抑えられていましたが、この負担額が大幅に増えてくるかもしれません。
「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」決定のメカニズム
以前も、このサイトでご紹介していますが、この「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」は、航空会社(ここでは日本航空・JAL)が勝手に決めているわけではなく、決定の仕組みが決まっています。
「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」は、原油価格と為替価格の2カ月平均値に基づいて決定され、以下のテーブルが定まっています。
たとえば、原油価格と為替価格の2カ月平均値が7,500円となったら、「ゾーンB:7,000円-8,000円」の燃油特別付加運賃が適用となります。
ゾーン A | ゾーン B | ゾーン C | ゾーン D | ゾーン E | |
---|---|---|---|---|---|
6,000円 | 7,000円 |
7,000円 | 8,000円 |
8,000円 | 9,000円 |
9,000円 | 10,000円 |
10,000円 | 11,000円 |
|
日本-韓国・極東ロシア | 200円 | 300円 | 500円 | 1,000円 | 1,500円 |
日本-中国・台湾・香港 | 500円 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 4,500円 |
日本-グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 1,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 5,000円 |
日本-タイ・シンガポール・マレーシア | 1,500円 | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 8,500円 |
日本-インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 11,000円 |
日本-北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 3,500円 | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 17,500円 |
*片道あたりの追加金額
なお、上表は、6,000円から始まっているように、 原油価格と為替価格の2カ月平均値が6,000円未満になると、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は廃止となります。
直近では、2016年4月から2017年3月までは、油価格と為替価格の2カ月平均値が6,000円未満となり、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は廃止となっていました。
原油の平均価格×平均為替レートの推移
原油の平均価格×平均為替レートの推移を、ちょっと調べて、計算してみました。
なお、ここでは、「OPECバスケット」の原油価格を用いていますが、実際の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)では「航空燃油(シンガポールケロシン)」の価格で計算されます。
発券期間 | A) OPECバスケットの月中平均値 |
B) 為替レートの月中平均値 |
A×B |
---|---|---|---|
2017年8月~9月 | 50.3ドル/バレル | 111.20円/ドル | 5,590円 |
2017年10月~11月 | 46.1ドル/バレル | 111.69円/ドル | 5,146円 |
2017年12月~2018年1月 | 51.5ドル/バレル | 110.35円/ドル | 5,685円 |
2018年2月~3月 | 58.1ドル/バレル | 112.96円/ドル | 6,565円 |
2018年4月~5月 | 64.5ドル/バレル | 111.95円/ドル | 7,216円 |
2018年6月~7月 | 63.6ドル/バレル | 107.03円/ドル | 6,809円 |
2018年8月~9月 | 予想:70ドル/バレル | 予想:110.00円/ドル | 予想:7,700円 |
燃油サーチャージの推移
ここ1年ほどの、燃油サーチャージの適用ゾーンの推移を見ると、以下のようになります。
発券期間 | 適用ゾーン |
---|---|
2017年8月~9月 | ゾーン A |
2017年10月~11月 | ゾーン A |
2017年12月~2018年1月 | ゾーン B |
2018年2月~3月 | ゾーン C |
2018年4月~5月 | ゾーン C |
2018年6月~7月 | ゾーン C |
上の2つの表をみると、2017年後半は、円ドル相場は110円台の円安だったものの、原油価格が低かったので、「ゾーンA」「ゾーンB」だったことがわかります。
2018年に入り、円ドル相場が110円よりも低い円高になったものの、原油価格が上がり、「ゾーンC」となりました。
2018年夏以降、燃油サーチャージは「ゾーンD」に行くか?
2018年後半は、円ドル相場が円安となり、原油価格も上がる、というダブルでの上昇が起きると、燃油サーチャージが上がる可能性が非常に高いでしょう。
今のゾーンCから、ワンランク上のゾーンDとなると、以下のように変わります。
ゾーン C | ゾーン D | |
---|---|---|
日本-韓国・極東ロシア | 500円 | 1,000円 |
日本-中国・台湾・香港 | 2,500円 | 3,500円 |
日本-グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 3,000円 | 4,000円 |
日本-タイ・シンガポール・マレーシア | 4,500円 | 6,500円 |
日本-インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 6,000円 | 8,500円 |
日本-北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 10,500円 | 14,000円 |
東京= アメリカの往復の場合、ゾーンCならば約2万円の燃油サーチャージですが、ゾーンDとなると約3万円となります。
すでに旅程の決まっている国外の旅行などがある場合、早めに航空券を発券した方がいいかもしれませんね。
Have a good flight! ✈