日本航空・JALが2017年秋に、基幹の旅客システムを刷新し、特典航空券などのルールも変更します。
- 国内線のルール変更の概要
- 国内線のルール変更:ファーストクラス・クラス Jのアップグレード料金の別払いが不可に
- 国内線のルール変更:e JALポイントで払い戻しが可能
- 国内線のルール変更:キャンセル待ち可能な運賃が限定される
- 国際線のルール変更の概要
- 国際線のルール変更:e JALポイントで払い戻しが可能
- マイルを使った特典航空券関連のルール変更
- 特典航空券関連のルール変更: 有効期間変更が1年間に
- 特典航空券関連のルール変更:同一区間・同一クラスの早い便への変更が不可に
- 結論:e JALポイントの使いやすさ向上
- 2017年11月16日(木)の飛行機利用は要注意
- 追記)やはりトラブル多発でした。日本航空・JALの新システム
2017年11月16日(木)から、日本航空・JALが、システム刷新により、いくつかのルールを変更されます。
主な変更をチェックしてみました。
なお、以下にあげたものは、私が関係しそうな部分をピックアップしたもので、それ以外の変更点は、JALのWebサイトなどをご確認ください。
国内線のルール変更の概要
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
予約変更可能な航空券の有効期間 | 90日間 | 1年間 |
ファーストクラス・クラス J予約時の料金 | 予約時は普通席の料金だけ精算、搭乗当日にアップグレード料金の精算が可能 | 予約時に一括精算 |
キャンセル待ち可能な運賃 |
大人普通運賃 |
大人普通運賃 |
e JALポイントで購入した航空券の払い戻し | e JALポイントの払い戻しは不可 | e JALポイントの払い戻しが可能 |
国内線のルール変更:ファーストクラス・クラス Jのアップグレード料金の別払いが不可に
「ファーストクラス・クラス J予約時の料金」の扱いが変更となりました。
今までは、普通席分を予約して、ファーストクラスやクラス Jのアップグレード料金は、別に支払う形にして、例えば搭乗日に支払うことができました。
これが、予約時にアップグレード料金を含めて一括での精算となりました。
今までは、出張族の人の場合、普通席の費用を会社の経費で、アップグレード料金を自腹でというようなことが可能だったわけですが、それが不可となると、出張族の人には痛いかもしれません。
国内線のルール変更:e JALポイントで払い戻しが可能
「e JALポイント」という、日本航空・JALでしか使えない、独自の電子マネーがあり、航空券の購入などに使えるようになっています。
「e JALポイント」の残念な点があって、購入した航空券を取り消す場合、普通にクレジットカードなどで支払っていた場合は、取り消し手数料を除いた金額が払い戻されますが、「e JALポイント」支払い分は払い戻しがされないという問題がありました。
その残念な点が解消され、「e JALポイント」の払い戻しができるようになります。
今までは、電子マネーというよりは「ポイント」のようなもので、そういうリファンダブルなことができないと、私は勝手に解釈していました。しかし、よくよく考えれば、返金しないというのもおかしな話です。
たとえば、suicaでJRの切符を買ったものの、乗らなくて、切符の払い戻しをして返金してもらう、ということが、できないというの同じことでした。
それが、普通の状態に戻ったような感じです。
国内線のルール変更:キャンセル待ち可能な運賃が限定される
「キャンセル待ち」できる運賃が、だいぶ絞り込まれました。
- 株主割引
- 特便1・3・7 タイプA
- 先得タイプA
- 乗継割引7・28
ではキャンセル待ちができなくなりました。
国際線のルール変更の概要
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
e JALポイントで購入した航空券の払い戻し | e JALポイントの払い戻しができなかった | e JALポイントの払い戻しが可能 |
国際線のルール変更:e JALポイントで払い戻しが可能
国内線と同様、国際線の航空券の取り消し時に、「e JALポイントで払い戻しが可能」となりました。
これもうれしいルール変更です。
マイルを使った特典航空券関連のルール変更
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
JALグループ国内線特典航空券の有効期間変更 | 発行日から90日間 | 発行日から1年間 |
JALグループ国内線特典航空券 | 搭乗日当日に限り、予約便より早い出発時刻の便で、同一区間・同一クラスに空席がある場合、変更が可能。 | 予約便以外への変更は不可 |
e JALポイント特典の取り扱い変更 (JAL国内線航空券) |
「おともdeマイル割引」の同行者運賃はe JALポイントでの支払いが可能 | 「おともdeマイル割引」の同行者運賃はe JALポイントでの支払い不可 |
e JALポイント特典の取り扱い変更 (JAL国際線航空券) |
予約変更時の運賃税金差額・予約変更手数料の支払いに利用不可 | 予約変更時の運賃税金差額・予約変更手数料の支払いに利用可能 |
e JALポイント特典の取り扱い変更 (JAL国際線特典航空券) |
税金、燃油特別付加運賃などへの支払いに利用可能 | 税金、燃油特別付加運賃などへの支払いに利用不可 |
特典航空券関連のルール変更: 有効期間変更が1年間に
マイルをつかって国内線特典航空券を発券し、その後、搭乗日程を変更する場合、発券日から「3ヶ月以内」の期間の中で搭乗しなければいけない、という縛りが、今までありました。
その期限を、「3ヶ月以内」が「1年内」に変更となりました。
特典航空券関連のルール変更:同一区間・同一クラスの早い便への変更が不可に
今までは、搭乗日当日に、早い便に振り替えることが可能でしたが、それが不可となりました。
最終便を手配して、空港に着いたら早い便に振り替える、というような予約の仕方されていた方は、要注意です。
結論:e JALポイントの使いやすさ向上
最近、航空会社のルール変更が発表されると、たいていの場合「改悪」という点がほとんどですが、今回のはそうでもないように思いました。
ざっとみると、日本航空・JALを、私が普段使っている範囲では、大きな影響はなさそうです。
ファーストクラス・クラスJのアップグレード料金を予約時に支払いになったり、マイルを使った特典航空券の扱いが少し厳格化されたものの、全体的には「e JALポイントの使いやすさ向上」というのが、今回のポイントなのかな、と思いました。
2017年11月16日(木)の飛行機利用は要注意
今回のルール変更は、2017年11月16日(木)から実施されます。(一部別日程のものもあります。)
このルール変更は、日本航空・JALでの「旅客サービスシステムの刷新」によるもので、自社(グループ)開発のシステム基盤から、スペインのAmadeus社が提供する「アマデウス アルテア」に切り替えるものと思われます。
IT関連の業界にいたので感覚的に感じるのは、このような大規模のシステム切り替えは、影響度が大きく、切り替え当日の2017年11月16日(木)は、何かミスが起きやすいというニオイがします。
もちろん、何事も無いことを祈っていますが、特段の用がない限り、2017年11月16日(木)に、日本航空・JALの飛行機に乗るのは避けた方がいいかもしれません。
ところで、旅客管理システムといえば、先日、JR(新幹線)の座席の予約システムの本を読んでいて、その内容を思い出しました。
コンピュータの能力がまだまだ低い時代に、試行錯誤しながら作り上げていった苦労、予約システム導入前は、紙の予約帳で管理していて、窓口で予約しても手続きが完了するのにかなりの時間がかかっていた状況など、今からでは想像しにくい時代がありました。
このシステム化ができたことで、新幹線の座席の販売を大きく広げることができ、今日のような、多くの人が日常に使える新幹線になっていきました。
この本では、航空会社の予約システムについても紹介されていて、今回のルール変更を見て、そのこともふと思い出しました。
追記)やはりトラブル多発でした。日本航空・JALの新システム
2017年11月16日に予定どおり、日本航空・JALは新システムに移行しました。
「大きなトラブルなく」と言いたいところでしたが、ユーザーからは「予約内容が変になった」「指定してた座席が勝手に変わっていた」などのクレームがSNS上に流れました。
私も、リニューアル後に国内線を利用してみたら、この被害に会いました。
詳細は下の記事にまとめています。よろしければご参考ください。
50年ぶりに大規模リニューアルした「JALの旅客システム」。けっこうトラブルありました。
JALの新・旅客システム不具合のトラブルに巻き込まれた話です。
Have a good flight! ✈