2018年2月から日本航空・JALの燃油サーチャージが値上げとなります。
- 2018年2月からの日本航空・JALの燃油特別付加運賃
- アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア方面は、2018年2月から1万円の値上げ
- 国内線は燃油サーチャージの影響はない
- 「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」決定のメカニズム
- 原油価格と為替価格の2カ月平均値が6000円未満になると、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は廃止
- 原油価格の推移
- 過去には「ゾーン I:14,000円以上15,000円未満」という時代もあった
- 「燃油サーチャージが下がると航空運賃が値上げする」という関係
- 参考記事:ここ3年ほどの燃油サーチャージ動向
「燃油サーチャージ」とも呼ばれる「燃油特別付加運賃」。
日本航空・JALより燃油サーチャージの値上げが、2017年12月中旬に発表されました。
2017年12月に値上げし、さらに2018年2月からも値上げということになります。
2018年2月からの日本航空・JALの燃油特別付加運賃
2017年12月現在と、2018年2月以降の燃油サーチャージを見てみると、以下のような感じになります。
区間 | 2018年1月まで | 2018年2月以降 |
---|---|---|
日本-韓国・極東ロシア | 300円 | 500円 |
日本-中国・台湾・香港 | 1,500円 | 2,500円 |
日本-グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 2,000円 | 3,000円 |
日本-タイ・シンガポール・マレーシア | 3,000円 | 4,500円 |
日本-インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 4,000円 | 6,000円 |
日本-北米・欧州・中東・オセアニア | 7,000円 | 10,500円 |
アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア方面は、2018年2月から1万円の値上げ
この燃油サーチャージは、その名称の通り、航空機が使う燃料の量に応じて価格が決まり、距離が短い方が燃油サーチャージが安く、逆に、距離が遠い方が高くなります。
表の一番下の行にある「アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア」方面ですと、片道1万円の値上げとなります。
国内線は燃油サーチャージの影響はない
なお、この燃油サーチャージは国際線での話で、国内線は関係ありません(今のところ)。
台湾とさほど距離が変わらない石垣島は、本来は「2,500円」ぐらいの燃油サーチャージが発生しそうですが、おそらく運賃に含ませてしまっているのでしょう。
「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」決定のメカニズム
以前も、このサイトでご紹介したかもしれませんが。
この「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」は、航空会社(ここでは日本航空・JAL)が勝手に決めているわけではなく、決定のための仕組みが決まっています。
燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は、原油価格と為替価格の2カ月平均値に基づいて決定されます。
今回は、原油価格と為替価格の2カ月平均値が「ゾーンB:7,000円-8,000円」となり、ゾーンBでの燃油特別付加運賃が適用となりました。
ゾーン A | ゾーン B | ゾーン C | ゾーン D | ゾーン E | |
---|---|---|---|---|---|
6,000円 | 7,000円 |
7,000円 | 8,000円 |
8,000円 | 9,000円 |
9,000円 | 10,000円 |
10,000円 | 11,000円 |
|
日本-韓国・極東ロシア | 200円 | 300円 | 500円 | 1,000円 | 1,500円 |
日本-中国・台湾・香港 | 500円 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 4,500円 |
日本-グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 1,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 5,000円 |
日本-タイ・シンガポール・マレーシア | 1,500円 | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 8,500円 |
日本-インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 11,000円 |
日本-北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 3,500円 | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 17,500円 |
原油価格と為替価格の2カ月平均値が6000円未満になると、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は廃止
なお、上表に6,000円から始まっているように、 原油価格と為替価格の2カ月平均値が6,000円未満になると、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は廃止となります。
直近では、2016年4月から2017年3月までは、油価格と為替価格の2カ月平均値が6,000円未満となり、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)は廃止となっていました。
原油価格の推移
ここ数年の原油価格の推移をみると、以下のよう感じになっています。
なお、燃油サーチャージの判定には、航空燃油(シンガポールケロシン)の価格が使われています。
原油価格は、直近の2017年12月現在では、 すこし値が上がり始めていて、50ドル/バレルとなっています。
2010年から2014年ぐらいは、原油価格が90ドル/バレルを超えていて、燃油サーチャージが大変な時代でした。海外ツアー代金よりも、追加で支払う燃油サーチャージの方が高い、というような時代だったかと記憶しています。
過去には「ゾーン I:14,000円以上15,000円未満」という時代もあった
なお、私がマイル修行を始めた2014年ごろには、日本航空・JALの燃油特別付加運賃テーブルのゾーン設定は、以下のようなレンジでした。
ゾーン A:6,000円以上7,000円未満
ゾーン B:7,000円以上8,000円未満
ゾーン C:8,000円以上9,000円未満
ゾーン D:9,000円以上10,000円未満
ゾーン E:10,000円以上11,000円未満
ゾーン F:11,000円以上12,000円未満
ゾーン G:12,000円以上13,000円未満
ゾーン H:13,000円以上14,000円未満
ゾーン I:14,000円以上15,000円未満
マイル修行コースでおなじみにOKA-SIN(沖縄-シンガポール)コースでの費用をみると、
HND-OKA-HND-SIN-HND-OKA-HNDの6区間の費用は以下のような感じでした。
2014年09月:89,910円
2014年10月:95,260円
2014年12月:85,270円
2015年04月:77,730円
なお、当時は、往路・復路に「HND-OKA」などの国内線区間を、国際線乗り継ぎ割引運賃として追加できる時代でした。
2015年頃に原油価格が下がり、併せて燃油サーチャージも低いゾーンに変わり、費用がかなり安くなったというのを覚えています。
「燃油サーチャージが下がると航空運賃が値上げする」という関係
なお、「燃油サーチャージが下がると、航空運賃が値上げする」という関係があります。
2016年4月からの航空運賃がそうでした。
燃油サーチャージが全廃されたのに、トータルの費用が上がっていて、よくみると、各区間の航空運賃(正規割引運賃)が値上げされていました。
「燃油サーチャージ」は、航空会社にとって、すべて費用に充てるわけではなく、収益の一つになっていたのは、それが無くなると、経営上大変です。
そこで、航空運賃(正規割引運賃)は、航空会社が決められるもので、それを変更して、何かしらのレベニュー調整をしたかったのだと思います。
今回は、その逆で燃油サーチャージが値上げとなるので、その分の航空運賃が下がることを期待しています。
おそらく、スグには下げずに、国際線の客足が鈍化の兆しが見えたら、下げてくると予想します。
参考記事:ここ3年ほどの燃油サーチャージ動向
- 2015年12月からJAL国際線の燃油サーチャージ額を引き下げ
- JAL、2016年4月以降の国際線の燃油サーチャージ額を引き下げるか?
- 朗報:JAL 燃油サーチャージ廃止 2016年4月以降
- 2017年、国際線の燃油サーチャージ 復活する
- やはり2017年に復活「燃油サーチャージ
- 2017年4月から「燃油サーチャージ」再び値上げ
Have a good flight! ✈