機内食について思うことなどを書き出してみました。
- 上空の機内では調理ができない
- 上空では、人間の味覚が狂っている?
- ファーストクラス/ビジネスクラスクラスに乗ったらヘッドフォンをつけること
- ファーストクラスのノイズキャンセラーのヘッドフォンの意味
- 機内の空気は新鮮?
- 「料理の温度」が冷めやすい機内
- ビジネススクラスの「パン」は温かい
- 冷えても美味しい「和食」
- 機内で「天ぷら」が出てきたら?
- 意外と美味しいエコノミークラスの機内食
- 日本航空・JALの韓国線のお弁当機内食は美味しい
- カンタス・Qantas航空の最先端のエコノミークラス機内食
- ワンディッシュは配膳や片付けもラク?
- 斬新なカンタス・Qantas航空のSaftyビデオ
- 意外と多い機内食のカロリー
- オススメのビジネスクラス機内食
- 日本発の飛行機は「和食」が美味しい
- 機内食が美味しくない原因
2016年前半は、ビジネスクラスに搭乗する機会が5回ぐらいありました。
ビジネスクラスの機内食には、主菜に2つぐらい選択肢があって、たいてい「ビーフ」が、その選択肢のひとつに入っています。たいていの場合、この「ビーフ」は「ステーキ」。
しかし、このステーキを、3回ほど食しているのですが、あまり美味しくないのです。
いい肉を使っているんでしょうが、なぜ美味しくないのか。
上空の機内では調理ができない
焼き加減の問題なのか。
上空でのステーキは、「ミディアム」の焼き状態で供されます。ちなみに、自分のステーキの好みは、生に近い「レア」。
ご存知のように、上空では、火を使った調理ができない。機内食は、調理済みの状態で機内に持ち込まれ、供するときに加熱だけされます。
こういう状況では、レアの焼き加減は、なかなか難しいのはしょうがないと思います。
逆を言うと、そういう状況下でも、それなりのレベルの機内食を提供できるというのは、スゴイことだと思いますし、食事を機内を楽しめる環境にいられることを感謝しています。
ある日のビジネスクラスでの洋食機内食
こちらが「ステーキ」
焼き加減
上空では、人間の味覚が狂っている?
地上から高度3万フィートを、時速900kmで飛んでいて、人間の味覚が狂っているということもあると思います。エンジンの騒音や狭い機内で、そういう影響も出やすいといわれています。
そのため、機内食は、普段の食事よりも、味付けを濃いめにしたりしているそうです。
また、機内の騒音も、人間の感覚に影響を及ぼしているそうです。
アメリカの大学での調査によると、
飛行機の機内の環境に似せた85デジベル以上の騒音の中で、48名の人の味覚を調査したところ、うま味と甘みを感じにくくなっていた
味の神経を司る中耳内の鼓索神経が騒音の影響を受け、味覚に変化をもたらしている可能性がある
という結果が出たそうです。
これでは、料理以前の問題です。
ファーストクラス/ビジネスクラスクラスに乗ったらヘッドフォンをつけること
ファーストクラス/ビジネスクラスクラスに乗ったのに、せっかくの食事が「まずく」とは、大変残念です。
実は、美味しく感じる対策があります。
ファーストクラスのノイズキャンセラーのヘッドフォンの意味
ファーストラクス・ビジネスクラスなどのアッパークラスのヘッドホンは、エコノミークラスのヘッドホンとは違い、ノイズキャンセラー機能付のしっかりとしたヘッドホンのことが多いです。
このヘッドホンは、音楽やエンタメを聞くためというよりも、機内の騒音軽減の目的でもあるのです。
自分の場合は、ボーズのノイズキャンセラー付のヘッドホンを機内に持ち込んでいます。使っていると、騒音の影響は少なくなり、かなりラクです。
機内の空気は新鮮?
空港のボーディングブリッジから、飛行機に乗り込んだときに、漂う独特の機内のニオイ。私の場合は、オイルと香水を混ぜたような、あのニオイが好きです。
飛行機の中は、密閉されていて、「閉じこもった空気」という人がいます。
ところが、
換気は操縦室内で2~3分,客室内で3~4分ごとに新鮮な空気に入れ換わる能力をもっている。換気用空気はふつう客室天井にあるダクトを通って客室内に流れ込み,循環して床下両側から抜け出て後方に流れ,圧力調整弁を通って機外に排出される。
実際は、機内の空気は、数分で入れ替わっているのです。ジェットエンジンから取り込んだ空気の一部を、エアコン処理されて機内に入れて、下の通風孔を通って、外に排出されています。
一般的なオフィスビルなどの方が換気能力は低く、そちらの方が、むしろ「閉じこもった空気」だったりします。
「料理の温度」が冷めやすい機内
自分の経験で言えば、ビジネスククラスの洋食は、残念なことが多い。しかし、「和食」は美味しかったりします。
最近、その理由を考えてみたら、「料理の温度」がポイントだと思います。
機内では、料理をアツアツの状態にできず、そして料理は冷めやすい。
前述のように、機内では「火」の調理ができない。また、沸点も低く、80度ぐらいにしかならない。地上の調理環境とは全く違う状態です。
ビジネススクラスの「パン」は温かい
洋食では、温かい料理は、温かい状態で食した方が、当然美味しい。
ビジネスクラスの洋食の場合、きちんとパンも温めて供されたりして、その辺もキチンとされています。
しかし、冷めてしまうと、どうしても風味が落ちてしまう。
そして、もともとの食材の温度が高くなく、冷えた機内で、すぐに冷めてしまう。
冷えても美味しい「和食」
逆に、和食の場合、冷えても、味はそれほど変化がしない。煮物などは、温かい状態でも美味しく、冷めても美味しい。
これが、和食と洋食の差でもあるのだと思います。
機内で「天ぷら」が出てきたら?
もちろん、料理の中身次第でもあると思います。
もし、仮に、上空で「天ぷら」が供されたら、たぶん美味しくないと思います。
よほど、なにか、衣などを工夫しないと、揚げたてのカラッと感を出すことは難しい。あるいは、「天丼」などの状態にすると、そういうのを誤魔化せるはず。
意外と美味しいエコノミークラスの機内食
ここまで、ビジネスクラスの話でしたが、エコノミークラスの機内食も、最近美味しいと思うことがあります。
いくつか例をあげると、
日本航空・JALの韓国線のお弁当機内食は美味しい
日本航空・JALの韓国線は、搭乗時間が短いということもあり、供される機内食は、お弁当スタイルとなっています。
このお弁当は、「なすび亭」「幸せ三昧」などといった、話題の料理店などと一緒に作ったお弁当が登場して、かなりレベルが高いと、個人的に思っています。
通常のエコノミークラスの機内食というのは、トレイに一式に積み込み、どうしても簡便的な食事というイメージが強いです。それが、お弁当になってしまうと、なぜか、そう感じません。
日本古来から伝わる「小さきものは、みな美しい」の美意識が発揮され、むしろ「よく出来ている」感が強まります。
いっそのこと、全路線のエコノミークラス機内食を、こういうお弁当スタイルにすれば、旅客の満足度があがるのではないか、と思ってしまいます。
カンタス・Qantas航空の最先端のエコノミークラス機内食
エコノミークラスの機内食といえば、テーブルの大きさに合わしたトレイに、主菜と副菜などがセットされた機内食。
どの航空会社の飛行機に乗っても、だいたいそんな感じのものが出てきます。
標準的なエコノミークラス機内食
トレイにセットされた状態で供される
しかし、カンタス・Qantas航空の機内食は、ちょっと変わっています。というよりも「斬新」とも言えます。
カンタス・Qantas航空のエコノミークラス機内食は、トレイが無い、ワンディッシュ形式。メインの一皿が供されるだけです。
カンタス・Qantas航空のエコノミークラス機内食
ワンディッシュは配膳や片付けもラク?
カンタス・Qantas航空に搭乗して、スタッフの動きを見ていると、こういうワンディッシュ形式ですと、配膳と、食後の片付けもラクなのかと思います。
特に食後の片付け。
トレイ形式ですと、食後に回収がされ、カートにキチンと一枚一枚、トレイを差し込んでいきます。配膳前のカートの最初の状態に近い状態になります。見ていると、これがけっこう大変そうです。
一方、ワンディッシュ形式の場合、そのまま、ゴミ袋に入れて終わり。
こうした取り組みは、かなり合理的とも言えますし、重量削減などにもなっているのかと思います。
斬新なカンタス・Qantas航空のSaftyビデオ
カンタス・Qantas航空の場合、機内食もそうだし、エンタメも、かなり斬新です。
離陸前に機内で流れる、Saftyビデオも、日本の航空会社の味気ないビデオよりも、ずっといい造りになっています。
この間搭乗した時に見たSaftyビデオは、カンタス・Qantas航空の母国・オーストラリアの各地域を舞台に、「シートベルトを締めてね」「酸素マスクはここにあるよ」などを紹介していく。かなり力を入れて作られていて、ついつい、安全のガイダンスも見てしまう。
意外と多い機内食のカロリー
機内食についてふと調べていたら、こんな事実に遭遇しました。
機内食一食で、大体一日分のカロリーを摂取できるようにしてある
万が一、不時着して遭難しても、生き延びる確率を高めるため、そうしているらしいです。
搭乗中、ほとんど運動もできない狭い機内で、摂取したカロリーは、そのまま残ります。これは、ツライかもです。
オススメのビジネスクラス機内食
ビジネスクラスなどのアッパークラスの場合、
- 日本発の場合:「和食」をオーダー
- 海外発の場合:「洋食」をオーダー
とすると、なかなか美味しく過ごせます。この1-2年、ビジネスクラスに乗っていて、わかってきたことです。
日本発の飛行機は「和食」が美味しい
「日本発」の場合、日本の食事である「和食」が美味しい。
常連者に聞くと、同じように「日本発の場合は「和食」をオーダーすることが多い」そうです。
「海外発」の場合、「和食」はどうしても日本にはかないません。現地のケータラーが準備するので、食材もそうだし、そもそもの味覚の地域差があります。
逆に、「海外発」の「洋食」は、日本にない美味しさがあったりします。先日、日本に帰るときに、ビジネスクラスに搭乗した時、ビーフではなく「鶏肉」の料理を食べたら、かなり美味しかったです。
機内食が美味しくない原因
今回の「ステーキ」が美味しくないというのは、けっきょくは「料理の温度」が主たる原因かと思います。
「洋食」が供されたら、まずはメインから食し、冷めないうちに食べてしまう、に尽きます。というよりも「保温しやすい食器のようなものにするといいのでは?」と思ってしまいました。
なお、ファーストクラスや欧米線のビジネスクラスでは、一皿一皿供されるので、そういうことはしなくても大丈夫です。あるとき、一皿づつ供するタイプの機内食のとき、CAさんが、その準備をされているギャレーを覗いたことがありますが、あれは大変な作業だとわかりました。おそらくエコノミークラスのときの10倍ぐらい、手間と場所がかかると思います。感謝すると同時に、アラカルトメニューを追加で注文するのは、ほどほどにした方がいいなと思いました。
Have a good flight! ✈