最近は、国内線でも標準となった電源サービス。
それを使ってみて思い、調べてみたことなどのメモです。
こんにちは、2023年が始まり、初フライトされていますか?
私はというと、先日の1月に、南の島(国内)へのフライトをしてきました。
この冬の時期の西方面のフライトは、偏西風が強く、行きと帰りの飛行時間がかなり差が出てきます。今回の場合、行きは偏西風の向かい風で約3時間、帰りは逆に追い風で2時間30分の飛行でした。
飛行機好きなので、飛行時間が長くなる分には、ぜんぜん苦ではなくむしろ楽しく、それがJALの国内線ファーストクラスやANAのプレミアムクラスですと、なお嬉しいことです。
2-3時間ぐらいのフライトですと、スマホやノートPCを機内で使うには、飛行機に乗る前に、必ずしっかりと充電しておこうというのが、昔の習慣でした。
昔の国内線は、電源が機内の客席にないのが普通で、ちょっと前まではJALの国内線ファーストクラスですと、機内でバッテリー貸し出しサービス(上の写真)があって、それが付加価値のサービスとなっていました。あのバッテリー、何回かお世話になったことがあります。
しかし、最近ですと、機内の各座席に、AC電源・USBポートが設置され、飛行機の中で充電できるようになったので、搭乗前の充電も必要なくなり、かなり便利になりました。(ごくたまに、AC電源・USBポートが設置されていない機材だったりして、そういうときに限って、スマホやPCのバッテリーも満足になかったりします。。。。)
便利な世の中になったものです。
飛行機って、どのぐらい発電できるの?
「飛行機の発電容量って、どのぐらいあるのだろう?」と、ふと思いました。
新幹線でも、座席の横に電源口があり、充電できます。新幹線の場合、地上の架線から電気を取ることができます。
しかし、飛行機の場合、新幹線のように架線から電気を引き込むことはできず、機内で発電しないといけません。
もし、乗客全員が、この座席電源から電気をとったら、相当な電気量が必要なのではないか。
単純計算で、乗客全員がiPhoneの充電を行うとしたら、
B787の場合、電力15W×乗客 300人=4,500W。
4,500W。
延長コードで1500Wまでですので、それ3つ分。大きさ的にわかりにくいですが。
ちょうど、トヨタの燃料電池車 新型MIRAIが外部供給できる電力と同じです。
そして、こんな調べ物をしてみました。
ジェットエンジンで発電
飛行機のエンジンはタービンですので、回転すれば、何かしら電気を得ることができます。
昔、在籍していた会社で、システム運用を委託していたデータセンターでは、その電気を飛行機のジェットエンジンを回して発電している、という話を思い出しました。
外部電源がないときの非常用だけでなく、外の電気を使うよりも、自分で発電した方が電気コストが安いので、電気料金の高い昼間は自家発電している、というようなエピソードもあったような。
実際、その発電量はどのぐらいかと調べてみると、こんな情報に出くわしました。
ボーイング747などのGE社のジェットエンジンが発電機に!
「LM6000」とは、B747などの大型旅客機に搭載されているGE社のジェットエンジン「CF6-80C2」を発電用に転用したもので、現在実用化されている40MW級ガスタービンのなかで、世界最高レベルの性能を発揮する高効率ガスタービン
飛行用ではなく、発電用に特化したジェットエンジン。
火力発電所に設置されている発電設備に、このジェットエンジンをいくつか配備して、発電するということもあるようなので、相当大きな発電が生まれるんでしょうね。
最近の機体は高発電
また、こんなデータも見つかりました。
機種 | 発電量 |
---|---|
B747-400 | 360 kVA |
B787 | 1,000 kVA |
A350 | 600 kVA |
A380 | 600 kVA |
昔のボーイング747と比べて、今主流のB787やA350は、倍近くの発電量があることがわかります。とくにB787なんかは、1,000kVAの発電で、メガソーラーと同じぐらいの発電量です。まさに発電所ですね。
昔は、飛行機内で搭乗客に電気が提供されずに、最近は提供されるようになったのは、飛行機での発電量が大きく増えたからかもしれませんね。あるいは、スマホやノートPCなどの電気製品を飛行機内で利用する客の需要が増えたからという、ニーズが大きくなったからかもしれません。
ちなみに、上表に記載の「KVA」の単位は1,000Wと同じだとすると、1,000kVA=1,000,000W。
前述で試算した、「B787の場合、電力15W×乗客 300人=4,500W」を十分にまかなえます。
これは、スマホ程度の電力ならば提供可能で、ヘアドライヤーとか熱量があるものの電源となると、もっと電気をを食うので、大変なことになると思います。
たとえば、Dysonのヘアドライヤーですと、
最大消費電力1200W×乗客 300人=360,000W
となり、消費電力はかなり増えます。
もっとも機内で乗客全員がヘアドライヤーを使うという状況は無いでしょうから、試算でのお話です。
飛行機内で電源を使うときの注意点
全日空・ANAのWebを見たいたところ、こんな記述がありました。
- プラグをシート電源に1秒以内に奥まで差し込んでください。
奥まで差し込まないと安全機構が作動し、電源が供給されない場合がございます。- 機内シートに装備されているUSBポートには、供給電流値が1.5A以上の機材と0.5Aの機材が存在します。
- シート電源は60Wまでの出力が可能ですが、他のお客様の使用状況によって、充電ができない場合がございます。
- お客様の安全のため、各シートブロックへの電流供給量には制限を設けています。
- 最大消費電力を超えてご使用された場合には、隣席のお客様の電源供給も遮断されますので、ご注意ください。
供給する電気量は、制限がされているようです。
ところで、飛行機が飛んで、その間に発電した電気は、全部は使い切っていないはずで、その余剰電力はバッテリーか何かに一時的に貯めているのでしょうか。そのまま、使わず仕舞いだとしたら、もったいないですね。
Have a good flight✈